おうちに、さよなら。

おばあちゃんの家とお別れしてきました。
 
おばあちゃんがいなくなって、3ヶ月以上がたちました。
いつまでも家を借りておくわけにもいかないので、家を引き払うことになりました。
食器棚などの家具はYAKUMOが新居で使おうと思っているので倉庫に一時保管。
食器や形見の品もいったん倉庫に預けます。
残りのものは親戚や友人の方にもらわれていきました。
 
そして、明日がとうとう家を引き払う日。
「もう何も残ってないよ」と親に言われて。
でもどうしても、最後に一人で家に行きたくて。
 
駐車場から眺めた家は、カーテンもなく、中の家具も見えず、
ほんとうにがらんどうでした。
でも、鍵を開けて中に入ると、そこはやっぱりおばあちゃんの家でした。
いつもどおりの、「おばあちゃんの家の匂い」がする、おばあちゃんの家でした。
 
おばあちゃんが名古屋から出てきて、14年間住んだ家。
そしてここは、そのうちの1年8ヶ月、YAKUMOの家でもありました。
 
いつかは思い出になる場所だと思っていて、
でも、こんなに早く思い出にしなければいけなくなるなんて思ってなくて。
家のあちこちが、いちいち思い出深くて、妙に悔しくて。
 
畳に寝転がって目を閉じると、いつもと変わらない光景が見えてきて、
でも目を開けると、何もかもがなくなっていました。
 
いっぱいいっぱいの思い出を、本当にありがとう。
おやすみなさい。
 
 
階段を下りて振り返ると、ドアから手を振るおばあちゃんの姿が
涙の向こうに見えたような気がしました。