のと鉄道の廃線問題

ところでこののと鉄道、冒頭にも触れたように3月末で路線の大半(94km中61km!)が廃線となります。並行道路がある程度整備されているとはいえ、そこそこの集落をかなりの速度で結ぶ鉄道を廃止して良いのか、はたまたたった33kmを残す意味があるのか、いろいろ思うところはあるのですが、すべては終わってしまった話のようです。
(存続問題にかかわる人たちとも何度か話をする機会があったのですが、どうやら「廃線ありき」で話が進んでいるようで、いろいろな思惑と意図が絡み合っているように邪推してしまいます)

沿線の人々にとっては、やはり鉄道がなくなった後のことが不安なようで、「店をやっていけるのか」「通学が不便になる」「冬はバスがちゃんと動くのか」などという声もいろいろ聞かれました。一方では「赤字なんだから仕方がない(赤字でも必要なものは、税金を使ってでも残すべき)」「車のほうが便利だ(車に乗れない事態になったら?)」という、全国のローカル線で飛び交った議論はここでも十分にされていないようで、第三セクター企業として酌むべき民意をきちんと酌んだのか?という疑問が残ります。

奇しくもこの日は、第三セクターとしては日本一の路線距離を誇る「北海道ちほく高原鉄道」の全線廃止も決定してしまいました(第三セクター鉄道の全線廃止は日本初です)。「鉄路を残す」事に対する思いと現実をいろいろ見せ付けられた一日でした。