閉店

yakumo-v2005-10-30


大学の頃、YAKUMOはパソコン関連のバイトをしていました。
Windows95が発売されて1年、爆発的なパソコンブームが到来したころです。街のパソコンショップは初めてパソコンを買おうという人が次々と訪れ、それまでは一部の家にしかなかったパソコンが、一般家庭にまで急速に普及していきました。
買っていくお客さんはほとんどがパソコン初心者。そういった方向けに、販売時のアドバイスはもちろん、パソコンや周辺機器の接続、かんたんな使い方の指導から本格的なパソコン家庭教師まで、それこそ手取り足取りといった感じでサポートメニューが登場し、これがまた大好評でした。
 
そんな中、YAKUMOはとあるサポートスタッフ会社で、バイトでありながら正社員並みの仕事をしていました。
キャンペーンガールやサポートスタッフ200人くらいを束ね、各メーカーさんと連携してお店や街中でのキャンペーンのディレクター業務。「パソコンの調子が悪いねん!なんとかして!」とお店に駆け込んできたお客様の応対をし、その場でパソコンを修理するサポート業務。お客様の家や会社に出向き、その場で修理をしたりソフトの使い方を指導する訪問サービス業務。10人くらいで企業に出向き、数百台のパソコンを一気に入れ替えるリプレース業務。全国の販売店を回り、販売員の知識や態度をチェックする監査業務。
「大学4年間、お前は何をやってたんだ?」と聞かれ、「建築学科でパソコンサポートの仕事やってました」というほど、勉強そっちのけでサポートスタッフとして全国を飛び回ってました。
 
その中でも、仕事の中心の一つが「サポートカウンター業務」でした。
大阪に本社のある某大手家電店、その中核店舗にあるサポートカウンターで、お客様の相談にのったり修理受付をしたり、といった業務が主のこの仕事は、大学2年の秋から卒業まで、2年半にわたってYAKUMOの業務の中心となりました。
勤務地は主に3店舗で、中には家から2時間近くかかる店舗もありました。最初は破格の給料に惹かれて引き受けたのですが、お客様との接客や販売が楽しくて、修理や相談対応によって自分の技術を磨けるのが楽しくて、そして他の店員さんがとてもいい人たちばかりで、途中から給料が下げられても全然文句はありませんでした。むしろ、一番遠い店に一番すすんで行ってました。
このお店が、YAKUMOにパソコンの技術を与えてくれたといっても過言ではありません。
 
(ちなみにその当時のお話は、絶賛放置プレイ中のこちらをどうぞ)
 
大学を卒業し、就職すると同時にそのお店でのお仕事も終わったのですが、それからもお店の人との付き合いは続きました。時々遊びに行ったり、新居の家電製品をこのお店で揃えたり。
YAKUMOの生まれが大阪で、心のふるさとが名古屋なら、パソコン技術のふるさとはきっとここに違いありません。
 
そのお店が、閉店することになりました。
 
いてもたってもいられなくて、どうしても最後にお店を見てみたくて、最終日に行くことにしました。
閉店セールで売るものがなくなってしまい、YAKUMOが到着した時にはもうお店は閉めてしまっていたのですが、当時お世話になっていた店員さんが外に出てきてくれて、真っ暗になるまで思い出話を咲かせました。
 
ここでの経験がなかったら、今のYAKUMOはなかったんだろうなあ。
本当にありがとう。おやすみなさい。